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精肉店で考えるべきHACCPとは
精肉店では取り扱う肉類にカンピロバクターやサルモネラなど様々な食中毒菌が付着しているリスクがあるため、適切な衛生管理や加工・保管・包装の手順をマニュアル化することが不可欠です。
ここでは精肉店における食中毒対策やHACCPの考え方を解説します。
精肉店におけるHACCPとは?
食材を仕入れた時点で食中毒菌が付着している可能性
精肉店では牛肉や豚肉、鶏肉など様々な動物の食用肉を取り扱いますが、製品によっては仕入れ時点からすでにサルモネラやカンピロバクターといった食中毒菌が付着している可能性も考えなければなりません。そのため、仕入れた食材を冷蔵庫や冷凍庫へ移して保管する際にも、作業者や周辺環境が食中毒菌によって汚染されないように配慮しなければならず、それぞれの製品について適切な在庫管理を徹底することも必要です。
調理器具の使い回しや衛生管理のミスによるリスク増大
食中毒菌に汚染された食用肉をナイフやスライサーでカットしたり、パックへ小分けして包装したりする際、それぞれの作業時に調理器具やテーブルなどへ食中毒菌が付着して汚染範囲が拡大する恐れもあります。そのため、例えば豚肉や鶏肉をカットした後に、同じナイフで別の牛肉をカットするといった調理器具の使い回しなどは厳禁です。
また肉の種類やサイズによって保存に適した温度条件も異なるため、個々の条件や取り扱い手順をまとめてマニュアル化することが大切です。
精肉店での食中毒リスク
食肉販売店に起因するO157食中毒の事例
2003年8月、福岡県福岡市において腸管出血性大腸菌O157を原因とする食中毒の発生が報告されました。福岡市の保健環境研究所などが調査・分析したところ、O157の感染源となった食品は、市内にある食肉販売店が調理・提供した食品であり、それらを喫食した患者において食中毒が発生したことが確認されました。具体的な食品としては、鶏刺しや砂ずり刺し、牛タタキ、馬レバ刺しなどが確認されており、食肉販売店の調理器具などが二次汚染の原因として断定されました。
食肉加工会社の食品が原因で患者が死亡に至った事例
2023年2月、京都府内の食肉加工会社が食品衛生法違反の容疑で書類送検されたことを府が公表しました。本件は2022年8月~9月にかけて、当該食肉販売店において生食用の牛肉と、加熱用牛肉を同じ調理器具で処理したことに起因して発生した食中毒事件が対象となっており、当該食肉販売店で購入したレアステーキを食べた女性(90代)が腹痛や下痢といった症状を訴えた後に死亡しています。
死亡した女性の便からは腸管出血性大腸菌O157が検出され、また他の人々からも同型のO157が検出されており、京都府は当該食肉販売店が衛生基準を守らない調理などを行ったことが原因と断定しました。
食肉処理施設で仕入れた肉で発生した食中毒事例
2002年4月、兵庫県や大阪府にある複数の焼肉チェーン店を利用した顧客から、腸管出血性大腸菌O157を原因とする集団食中毒が発生したと報告されました。行政機関が調査したところ、原因となった食肉は兵庫県姫路市内に本社を構える焼肉チェーンのグループ店に提供されたものであり、同社は食肉を一括仕入れした上で系列店に配達していたことが判明しました。結果的に保健所は、食肉の仕入れ先である食肉処理施設においてすでに汚染が発生していたと断定し、当該施設を営業停止処分としています。
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精肉店では個人向けに食用肉を販売するだけでなく、焼肉店など様々な飲食店や施設へ食材として食用肉を提供しているケースが少なくありません。そのため、精肉店や食肉加工処理施設で食中毒菌による汚染が発生した場合、そのまま広範囲で集団食中毒が発生するリスクも生じます。
精肉店では取り扱う商品自体に食中毒菌が付着している可能性があるからこそ、仕入れ時点から徹底した衛生管理を実施しつつ、HACCPシステムなどを導入して万一の事態へ備えることも肝心です。
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