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HACCPのモニタリング
HACCPでは、重要管理点の管理基準が常に守られていることが必要です。そのためには、重要管理点の管理基準が守られているかを監視します。ここでは、HACCPのモニタリングの設定方法と逸脱時の改善措置について解説しています。
HACCPにおけるモニタリングとは?
HACCPでは、重要管理点の管理基準をみたした製品のみを出荷します。重要管理点をみたさない製品は、食品事故につながる可能性があるからです。重要管理点の管理基準が守られていることは、定期的に確認し記録することが必要です。重要管理点の管理基準の定期的な確認のことをモニタリングといいます。
適切なモニタリングを行うには、連続的であることが必要です。しかし、常に監視を続けることができない状況では、連続性を保つ頻度のモニタリングを行うことが必要です。連続性を保つことが難しいモニタリングは、管理基準をみたさない場合、遡って前回の問題なかったモニタリング記録に遡って、改善措置を行います。
「誰が」「何を」「いつ」「どのように」確認するか
モニタリングの設定は、「誰が」「何を」「いつ」「どのように」を決めます。モニタリングの責任者をまず設定し、モニタリング担当者は、重要管理点の管理基準を理解しつつ対象と行う時期を検討しなくてはなりません。
モニタリングは、連続性が必要であるため、モニタリングの頻度と時期を決めることは重要です。モニタリングの方法としては、温度計で食材の中心温度を測定するなどがあります。
まずモニタリングの要素を決め、モニタリングができなかった場合の改善方法も事前に決めておきます。異常時に正確な改善措置ができなければ、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
モニタリング項目と決め方
モニタリング項目
- 作業者氏名
- 品名
- 工程
- 測定項目
- 管理基準
- 測定、観察、検査値
- 製品を特定できる名称及びロットを特定できる記号(ロット名)
- 測定、観察、検査者のサイン
- 記録点検者(責任者)のサイン
- 管理基準逸脱時の措置
モニタリング項目と決め方
モニタリング項目の決め方で大切なことは、モニタリングによって重要管理点の管理基準をみたす製品のみが出荷されることを考えることです。例えば、加熱工程の温度管理のモニタリングでは、大量調理施設衛生管理マニュアルの食材の中心温度が75℃・1分以上の条件を満たす必要があります。
鍋の食材でも鍋の底と表面では加熱時の温度は異なります。加熱時にもっとも熱が伝わっていない場所にある食材の中心温度が、75℃・1分以上の条件をみたすことが必要です。加熱工程のモニタリング担当者は、管理基準と鍋の中のモニタリング対象を把握し、温度計で適切に測定できることを求められます。
万が一異常が出てしまったら?
モニタリングで異常が発見されれば、適切な改善措置を行います。改善措置は、事前に文書化し、モニタリング担当者が理解しているかを確認しておくことが大切です。モニタリングで問題がある製品を仕分けし、出荷しないことが大切です。
例えば、急速冷却工程中に停電があり、その後に加熱工程があったとしても、加熱殺菌できない細菌も存在します。事前にモニタリング担当者がそのことを理解していたら、急速冷却の失敗品は廃棄し、再利用はしないでしょう。こうしたことをマニュアルとして文書化することが大切です。
おすすめのHACCPシステム3選
Googleで「HACCP システム」「HACCPシステム ツール」と検索してそれぞれ10ページ目までを調査(2023年10月10日時点)。 HACCPシステムの公式サイトが表示された20製品(スマホアプリを除く)の中で、HACCP導入に必須となる「衛生管理計画書作成機能」と、記録の抜け漏れや問題があった時に管理者にお知らせが届く「アラート通知機能」がどちらも搭載されているHACCPシステムを3つご紹介します。
(ライオンハイジーン)
- 衛生管理のプロのノウハウが凝縮
- 約60項目が網羅された衛生管理計画書が標準搭載
- 衛生管理のコンサルも可能
- 衛生管理計画書
- 手順書(マニュアル)
- ダッシュボード
- カスタマイズ
- PDF(帳票)出力
- アラート機能
- ほか
企業におすすめ
(KAMINASHI)
- 点検時の状況を撮影し事故防止
- 音声にも対応するメモ機能
- 外国人労働者向けの多言語化対応
- 衛生管理計画書
- ダッシュボード
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- 音声メモ
- 多言語化機能
- アラート機能
- ほか
(UPR)
- IoT温度管理で自動的に記録
- 開店前・営業中・閉店後のチェックリスト作成可
- 異常時はアラート機能で通知
- 衛生管理計画書
- カスタマイズ
- 帳票出力
- IoT温度管理
- 健康管理
- アラート機能
- ほか