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HACCP導入で必要な書類とは?

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各々の事業所でHACCPを導入するとき、HACCP計画に関する文書・記録が必要になります。その文書の種類についてここで確認していきましょう。

HACCPに必要な書類一覧

HACCP関係の文書の中心は、衛生管理計画書とその管理記録になります。その衛生管理計画書を作成するうえで、各々の事業所で製造する食品の製品説明書やメニュー表が必要になります。この製品説明書等で原材料が確認できます。

また、原材料の受入れから製品の出荷・提供までの製造工程図を作成することも重要です。この製造工程図でどの工程で食品事故につながるかを調べていきます。そして、製品説明書と製造工程図を基に危害要因分析を行い、危害要因表を作成します。

重要管理点で機器を使用する場合、その機器の取扱説明書も手元に置いておきましょう。そして、重要管理計画と一般衛生管理計画を文書化することになります。

重要管理計画書

重要管理計画書ではその施設で扱う食品の調理方法に着目した管理を行うため、分類・メニュー・チェック項目などを記載します。

たとえば分類としては「非加熱のもの」「加熱し、熱いまま提供するもの」「加熱し、高温保管するもの」「加熱後冷却し、再加熱するもの」「加熱後冷却するもの」などに分けられます。分類に応じたメニューとチェック項目を明確にし、チェックを行うタイミングや確認すべきポイント、確認方法などを記載しましょう。

一般衛生管理計画書

HACCPで管理する重要管理項目は、重要管理計画書としてまとめます。その他のHACCPで管理を行わない、今までの一般衛生管理で管理する項目は一般衛生管理計画書でまとめていきます。

この一般衛生管理計画書の項目は、①原材料の受入れ時の購買管理、②交差汚染・2次汚染の管理、③冷蔵・冷凍庫の温度管理、使用する設備・器具の管理、④トイレの清掃、⑤従業員の手洗い・体調管理等を今まで行っていた一般衛生管理を文書化します。

参照元:公益社団法人日本食品衛生協会[PDF](http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4258/00283757/nihonsyokuhineiseikyoukai.pdf)

機器取扱い手順書

HACCPは製造工程のなかで重要になる項目を科学的に管理する手法です。科学的管理を行うためには、機器による計測が必要になります。しかし、その機器の使用方法の間違いがある場合や機器自体が故障して正しい数値を測定できない場合が考えられます。そこで機器取り扱い手順書を作成することも重要になります。

たとえば、温度計を使用する場合、標準温度計と比較して温度計が本当に正しい数値を出すかも確認します。こうした手順を文書化しておけば、誰でも正しい機器の使用が可能になります。

製造工程図

HACCPは製造工程を管理する手法といえます。すなわち、製造工程の中でどの工程が食品事故のリスクが高いかを分析し管理していきます。そこで、原材料の受入れから製品の出荷までの製造工程を図表として“見える化”します。それが製造工程図になります。

粉の製造工程図は、危害要因分析を行う資料としても使用されるために、事業所の製造工程と製造工程図が本当に一致するのかを現場に入り確認することが大切になります。

危害要因分析表

製品説明書と製造工程図をもとに、事業所でどのような食品事故の危害要因が考えられるのかを調べていきます。それが危害要因分析になり、その結果を危害要因分析表にまとめていきます。

この危害要因表の作成目的は重要管理点の特定になり、HACCPで管理する重要管理の項目と今までの一般衛生管理で管理する項目を分ける作業といえます。危害要因分析がHACCPでもっとも重要な事項ということもでき、危害要因分析表は文書としてきちんと保管しておきましょう。

管理基準とモニタリング方法

管理基準では温度や時間、速度などの管理すべき基準値を決定します。まず管理するためにどんな「工程」が必要か、食の安全を損なう「危害要因」は何か、その危害要因の「発生要因」は何か?など。また、適切な管理を行うための「管理手段」や「管理基準(90℃以上で30分間以上など)」も決定します。さらに適切な管理ができているかをチェックするための「モニタリング方法」も重要。いつ・何を・どうやって確認して記録するのか明確にしておきます。

管理基準・モニタリング方法に記載する事項

検証プラン実施結果対策書

HACCPに基づいた管理プランは一度決めてしまえば終わりというわけではなく、有効に機能しているかを定期的に確認する必要があります。
たとえば殺菌記録を確認する・温度計やタイマーの校正がされているかを確認するといった「検証内容」を決め、「検証担当者」や「検証実施頻度」、殺菌記録や校正記録などの「記録名」を記載します。

検証プラン実施結果対策書に記載する事項

モニタリング記録

HACCPに基づいた管理を適切に行っている証拠として、モニタリング記録を保存しておくことは重要です。いつどの製品をどのような管理基準で誰が確認したのかがわかるよう、「モニタリング日時」「製品名」「管理基準」「確認者」を記載しましょう。

モニタリング記録に記載する事項

書類作成を楽にするには?

HACCPの導入を各々の事業所でなにもないところから始めるには時間が多くかかります。自社の業種や製造する製品ごとのひな型のようなものも存在しています。衛生管理計画書などの書類作成を楽にするには、厚生労働省や農林水産省のホームページにも掲載されていますが、衛生管理計画書の作成からその記録管理まで対応する業者のクラウドシステム導入が一つの手です。

システムを導入することで衛生管理計画の作成からその後の記録まで時間をかけないで行うことも可能になります。HACCPに時間をかけることができない場合、衛生管理計画作成書が標準で搭載されているシステムを利用するとよいでしょう。

ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。

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