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カラオケで考えるべきHACCPとは
カラオケ店でフードを提供するには、食品衛生責任者の設置と飲食店営業許可が必要です。また、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」も実施しなければなりません。
ここでは、カラオケ店で必要となるHACCPについて分かりやすく解説します。
カラオケにおけるHACCPとは
カラオケ店の主な収入源は、部屋の使用料と飲食代金です。最近のカラオケ店では、売上を上げるためにフレンチ、イタリアン、ラーメンなど多彩なメニューを提供し、利用者のニーズに応えています。そのため、食品衛生への意識を高めることが非常に重要です。
カラオケ店の食品衛生の中心となるのが「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」です。これはHACCPを弾力的に運用するために作られた簡素化されたもので、食品衛生責任者の知識があれば十分に導入・運用できます。
カラオケ店の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は、提供する食品を危険温度帯(10℃~60℃)の通過回数で分類し、重要管理ポイントを決めます。また、キッチンの一般衛生管理ポイントを設定し、重要管理ポイントと合わせて衛生計画にまとめて実施・記録します。
カラオケでの食中毒リスク
珍しいケースではありますが、カラオケ店の飲料水が原因となったノロウィルス食中毒の事例を紹介します。
数名の客が嘔吐や下痢などの症状を発症し、医療機関を受診しました。保健所の調査の結果、ノロウィルスに汚染された井戸水が飲料水として使用されていたことが判明しました。井戸水が汚染された原因は、浄化槽からの汚水によるものでした。
このような場合、水道水の次亜塩素酸ナトリウム濃度ではノロウィルスの活性を防ぐことができず、結果として食中毒が発生しました。井戸水を使用する際は、飲食店営業許可を取得する際に水質検査の結果を保健所に提出しますが、このようなリスクがあることを理解しておく必要があります。
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カラオケチェーン店が行っている衛生管理
カラオケチェーン店では、それぞれの店舗で衛生管理の項目を決めています。食中毒等を引き起こす微生物等は、「原材料」「人」「環境」のいずれかからもたらされます。
ここでは、代表的なカラオケチェーン3店が行っている衛生管理についてまとめてみました。
ビックエコー
ビックエコーの「原材料」からの対策は、「食品の温度・消費期限管理」「食材保管ルールの徹底」などを取り入れています。
「人」に対する対策としては、「毎日の検温」「丁寧な手洗い」「専用ハンドソープの設置」です。
「環境」に対する対策としては、「アルコール消毒」「調理器具の洗浄徹底」「ドリンクサーバーの毎日の清掃」「清掃道具・専用洗剤の使い分け」を行っています。また、第三者による定期的な衛生検査を実施し、徹底した衛生管理を行っています。
大手カラオケチェーンとしてHACCPに即した管理をしていると言えるでしょう。
カラオケパセラ
カラオケパセラの「人」に対する対策は、「調理時のビニール手袋着用」などです。
「環境」に対する対策としては、「食器のアルコール除菌」「小分け提供」などがあります。このほか、飲食店営業許可に必要な一般衛生管理も実施しています。
公式サイトでは写真付きでどのような衛生管理をしているかが紹介されています。それだけ衛生管理に力を入れているのでしょう。
カラオケ館
カラオケ館の「原材料」に対する対策は、「アレルゲン表示」「仕入れ管理」「温度履歴管理」「使用期限管理」「在庫管理」などです。
「環境」に対する対策としては、「備品管理」などがあります。このほか、飲食店営業許可に必要な一般衛生管理も実施しています。
公式サイトにて、各取り組みの詳細が紹介されています。「カラオケ館環境宣言」を示しており、食の安全とともに地球環境の保全にも取り組むと明言。会社のイメージアップにもつなっているようです。
記録や管理をできるだけ楽にしたいなら
カラオケ店の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は、メニューが多品目になるほど複雑になります。食材ごとの危険温度帯の通過回数によるグループ分けを行い、重要管理ポイントを設定する必要があるためです。また、重要管理ポイントや一般衛生管理ポイントの記録付けも膨大になります。
このような複雑な「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の設定や記録を効率化するために、HACCPシステムの導入が有用です。HACCPシステムを導入して、カラオケ店の衛生管理をより簡単に行いましょう。
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おすすめのHACCPシステム3選
Googleで「HACCP システム」「HACCPシステム ツール」と検索してそれぞれ10ページ目までを調査(2023年10月10日時点)。 HACCPシステムの公式サイトが表示された20製品(スマホアプリを除く)の中で、HACCP導入に必須となる「衛生管理計画書作成機能」と、記録の抜け漏れや問題があった時に管理者にお知らせが届く「アラート通知機能」がどちらも搭載されているHACCPシステムを3つご紹介します。
(ライオンハイジーン)
- 衛生管理のプロのノウハウが凝縮
- 約60項目が網羅された衛生管理計画書が標準搭載
- 衛生管理のコンサルも可能
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企業におすすめ
(KAMINASHI)
- 点検時の状況を撮影し事故防止
- 音声にも対応するメモ機能
- 外国人労働者向けの多言語化対応
- 衛生管理計画書
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- 音声メモ
- 多言語化機能
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(UPR)
- IoT温度管理で自動的に記録
- 開店前・営業中・閉店後のチェックリスト作成可
- 異常時はアラート機能で通知
- 衛生管理計画書
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- IoT温度管理
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