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福岡のHACCPの取り組み

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食品の安全性を確保するために重要なHACCP。福岡県では自治体や団体が独自の取り組みを推進し、HACCPの普及と実践を支援しています。ここでは、福岡県の具体的な事例や参加方法について詳しく解説します。

福岡のHACCP対策をチェック

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は、食品の製造・加工・調理の各工程で発生し得る危害要因を分析し、重要な管理ポイントを定めて衛生管理を行う国際的な手法です。

2021年6月に食品衛生法が改正され、すべての食品事業者へHACCPに沿った衛生管理が義務付けられました。福岡では、この法律改正に伴い、自治体や関連団体がHACCPの導入を支援するためのさまざまな取り組みを実施しています。

HACCP推進アドバイザー派遣

福岡県では、食品を製造・加工・調理する施設向けに、HACCPの導入をサポートするため、専門家であるアドバイザーを無料で派遣しています。HACCPの基本的な知識を持ちながらも導入方法が分からない事業者や、現在取り組んでいるが具体的なアドバイスが必要な事業者が対象です。

申請には、HACCP講習会の受講や必要書類の準備が求められ、県内の保健福祉事務所を通じて行います。派遣されたアドバイザーは、施設の状況に応じてHACCPプランの作成や従業員教育など、具体的な助言を行い、HACCPのスムーズな導入を支援します。

参照元:北九州生活科学センターHP(https://www.klsc.or.jp/koshin_images/files/panfu.pdf

食品衛生責任者実務講習会の開催

福岡市では、食品衛生責任者の方々が定期的に食品衛生についての知識を更新するための「食品衛生責任者実務講習会」を動画配信で開催。この講習会では、食品衛生法の改正や食中毒対策、異物混入防止策など、食品の安全管理に役立つ内容を学ぶことができます。食品衛生責任者だけでなく、調理や製造に関わる方も視聴できるように配慮されているようです。

食中毒予防シンポジウムの開催

福岡県では特定の食品に特化した勉強会も実施しています

近年、魚介類を原因とする食中毒が増えており、特に「アニサキス」という寄生虫による被害が問題になっています。このため、2024年8月28日に飯塚市で「食中毒予防シンポジウム」を開催。このシンポジウムでは、アニサキスやヒスタミンによる食中毒の症状と予防法についての基調講演や、消費者や専門家が意見交換するパネルディスカッションが行われました。

福岡の団体・自治体ごとのHACCPへの取り組み例

福岡市

福岡市では、HACCPに基づく衛生管理を簡単に導入できるよう、事業者向けのテンプレートをオンラインで公開しています。これにより、手引書に基づいた計画書を迅速に作成することが可能です。また、飲食店を対象とした個別相談会も定期的に実施されています。

北九州市

北九州市では、地域の食品事業者がHACCPをスムーズに導入できるよう、専用の支援窓口を設置しています。また、食品業界の最新動向やHACCP関連の法令に関する勉強会も実施しており、現場で役立つ情報を提供しています。

福岡のHACCPに取り組もう

HACCPの導入は、地域での信頼性向上に直結するものです。自治体や団体の取り組みへ積極的に参加することで、HACCPの導入が円滑に進むだけでなく、食品の安全性を確保する重要な一歩を踏み出せます。

なお、2021年6月の完全義務化以降、自治体のサポートは徐々に縮小傾向にありますが、それはHACCPが当たり前の基準となった証でもあります。常識となりつつあるHACCPの流れに乗り遅れないよう、HACCPシステムを活用し、持続可能な運用を目指しましょう。

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