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イベント・催事で考えるべきHACCPとは
イベント・催事で飲食物を提供・販売するときには食品衛生法の営業許可・届出が必要です。そして、飲食物の製造・調理工程に合わせた「HACCPに沿った衛生管理」を実施します。
ここでは、イベント・催事で必要になる食品衛生法の営業許可・届出とHACCPに沿った衛生管理について解説しています。
イベント・催事におけるHACCPとは
イベント・催事の飲食物でも、製造・調理工程に合わせた「HACCPに沿った衛生管理」の指示が各自治体の保健所からあります。
HACCPに沿った衛生管理には、HACCPに基づいた衛生管理とHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の二つがあります。イベントや催事で提供される飲食物の場合、多くはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が行われています。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、重要管理のポイントと一般衛生のポイントをまとめた衛生管理計画を作成します。衛生管理計画は、営業許可・届出時に保健所から見られることがあります。
イベント・催事の事業者は衛生計画書を作成し、製造・調理の実施、記録付けが必要です。ほとんどの飲食物の製造・調理の場合、記録付けは1日に1回行えば十分であるため、イベント・催事の事業者は大きな負担にはなりません。
イベントや催事での食中毒リスク
イベント・催事の臨時店舗であっても食中毒は起こります。イベント・催事の食中毒は大規模になってしまうこともあり、損害賠償金も多額となるでしょう。イベント・催事の事業者は提供する飲食物と関係の深い食中毒菌を理解し、HACCPの管理方法を確立することが大切です。
ここでは、イベント・催事で実際に起こった食中毒事故とその原因の食中毒菌について確認します。
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌の食中毒は、加熱不足の焼き鳥や非加熱品から起こります。腸管出血性大腸菌は、中心温度75℃・1分以上の加熱で殺菌できます。
焼き鳥などは適切な加熱を行えば食中毒は起こりませんが、非加熱品への交差汚染が起こるのです。非加熱品は適切な管理方法を確立できなければ、提供を控えることが必要があります。
冷やしキュウリから腸管出血性大腸菌食中毒
平成26年7月、露店の冷やしキュウリを食べた500人以上が食中毒になりました。給水設備のない仮設設備で漬込みや串刺しを行ったことから、腸管出血性大腸菌が混入したことが原因でした。
カンピロバクター
カンピロバクターの食中毒も75℃・1分以上の加熱で殺菌できます。イベント・催事でカンピロバクターが原因の食中毒になるのは、加熱不足が原因であることが少なくありません。また、現場で生ものを扱うことや現場での成形によって混入することがあります。
ささみ寿司からのカンピロバクター食中毒
平成28年4月、東京と福岡の肉フェスのささみ寿司やたたき寿司を食べた数百人が食中毒になりました。加熱不足によるカンピロバクター食中毒が原因でした。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、人の手指から食品に混入して食中毒を発生させます。手袋を着用することで手指からの混入を防ぐことができます。
ケバブからの黄色ブドウ球菌食中毒
平成28年7月、屋台のケバブを食べた6人が食中毒を起こしました。患者と材料から黄色ブドウ球菌が発見され、ケバブが食中毒の原因と明らかになりました。
ノロウィルス
ノロウィルスの食中毒はHACCPでは防ぐことができません。食品の十分な加熱のほか、石けんによる手洗いが大切です。
餅つき大会でのノロウィルス食中毒
平成30年12月の餅つき大会で、いそべ餅やきな粉餅を食べた140人以上が食中毒になりました。食品や器具の取扱いが不適切であったことが原因でした。
サルモネラ菌
サルモネラ菌は、中心までの十分な加熱(中心温度75℃・1分以上)で殺菌できます。そのほか、器具からの交差汚染対策が大切です。
タンドリーチキンからのサルモネラ菌食中毒
平成31年4月、イベントのタンドリーチキンを食べた7人が食中毒になりました。患者からサルモネラ菌が検出されました。鶏肉の十分な中心までの加熱ができていなかったことが原因でした。
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌は芽胞を形成するため、加熱だけでは死滅しません。調理後の食品を10℃以下、65℃以上で保管することが大切です。
サンドパンからのウエルシュ菌食中毒
令和10年、サンドパンを食べた14人が食中毒になりました。患者とサンドパンからウエルシュ菌が検出され、原因はサンドパンのミートソースと特定されました。ミートソースを調理後に常温放置したことが食中毒を招いたのです。
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イベントや催事出店時の衛生管理のポイント
イベントや催事の飲食物の衛生管理で大切になるのは、十分な加熱のほか、一般衛生管理です。ここでは、次の3つの項目について確認します。
食品取扱者の衛生管理
イベントや催事では、食品取扱者から食中毒菌が飲食物に混入することが少なくありません。特にノロウィルス対策は大切です。食品取扱者の健康状態や衛生管理を適切に行いましょう。
販売機器の管理
イベントや催事では、販売機器から飲食物に汚染が広がる可能性があります。販売機器の洗浄・殺菌を定期的に行い、飲食物への交差汚染を防ぎましょう。また、販売機器が故障し、正確な数値を示せないならば、メーカーからメンテナンスを受けることも大切です。
表示・設置場所の管理
イベントや催事の飲食物は、環境からの汚染の可能性があります。飲食物を適切に保管し、食品表示の義務がない場合でも喫食者が口に入れるまでの食品情報にも気を使います。また、販売機器も環境からの汚染が考えられるため、設置場所にも気を使いましょう。
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イベント出店前に必要な許可証
イベントの出店前に自治体の保健所で許可について確認することが必要です。ここでは、露天営業許可について確認します。
露店営業許可が必要なもの
露店営業許可は、提供できる項目が決まっています。露店形態の飲食店営業の項目に限られ、生食用食品は提供できません。
例えば、焼き鳥、たこ焼き、たい焼き、ホットコーヒーなどは提供可能です。かき氷やアイスクリームは条件付きで露店営業許可がおります。
また、ポップコーン、野菜、果物、コーヒー豆などは、露天営業許可が必要なく、提供できます。
露店営業許可以外で許可が必要なもの
露天営業許可以外の許可が必要な食品があります。
例えば、焼き菓子やパンなどは、菓子製造業許可が必要です。また、お惣菜はそうざい製造業許可、おにぎりやサンドイッチなどは飲食店営業許可が必要です。
また、ジャム、はちみつ、漬物などは、イベント出店を管轄する保健所に確認が必要です。
出店ができない食品
露店出店ができない飲食物は、食品衛生法で決められています。例えば、刺身、お寿司、食肉、魚介類、牛乳、アルコール類、クリーム類などです。
記録や管理をできるだけ楽にしたいなら
許可期限5年の露天営業許可を取得しイベントに出店すると、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理も必要です。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、衛生管理計画や記録する必要が出てきます。
HACCPシステムを活用することで、計画や記録を電子化でき、手間と時間を省くことが可能です。露天営業は紙の記録を残すことは難しいため、HACCPシステムの活用を検討するとよいでしょう。
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おすすめのHACCPシステム3選
Googleで「HACCP システム」「HACCPシステム ツール」と検索してそれぞれ10ページ目までを調査(2023年10月10日時点)。 HACCPシステムの公式サイトが表示された20製品(スマホアプリを除く)の中で、HACCP導入に必須となる「衛生管理計画書作成機能」と、記録の抜け漏れや問題があった時に管理者にお知らせが届く「アラート通知機能」がどちらも搭載されているHACCPシステムを3つご紹介します。
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企業におすすめ
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