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飲食店の人材確保で知っておきたいポイント
飲食店では、スタッフの確保と定着が営業の継続の課題になります。ここでは、この飲食店の人材確保の課題について考えていきたいと思います。
飲食店が人材難に陥る理由
約8割の飲食店が人材不足を感じている状況(2017年1月のデータ)で、さらに、新型コロナウィルスの影響もあり、飲食店の人材の確保と定着は厳しい状況が続いています。人材難に陥る理由は、主に給与水準が低く、労働環境が悪いことが挙げられます。
給与水準
飲食業界の給与水準は、他の業種に比べて年収が低く、たくさんの仕事があるにもかかわらず、働いても報われない感じが残ってしまいます。この原因は、飲食店はあらかじめ客数を想定することが難しく、ホールやキッチンに一定の従業員の人件費と食材の仕入れやテナント料などの費用が必ずかかり、利益率が低い傾向にあるからです。そのため、高い給与をスタッフに払うことができずにいるのが現状になります。
労働環境
また、土日も営業している飲食店が多いため年間の休日が少なく、拘束時間が長い等の理由で、労働環境も厳しいものがあります。新しい人材が入っても業務を覚える前に離職したり、人手不足に陥ると、その分を他の従業員が穴埋めをすることになり、一人当たりの仕事が増え、さらに労働環境の厳しさは増してしまいます。
このように厳しい飲食店の労働環境に加え、新型コロナウィルスの影響で人との接触を避ける傾向が強まり、人材の確保は益々難しくなってしまっているのが現状になります。
飲食店の人材難解消方法
人材確保が困難な飲食店の現状に対して、どのような対策が取れるでしょうか?働き方改革、ITツールの活用、外国人雇用、求人の見直しの視点から考えていきましょう。
働き方改革
人の入れ替わりを防ぐには、資金的に余力があるならば、正社員の人数を増やすことが挙げられます。正社員の採用には費用が掛かりますが、人の入れ替わりが多く、従業員教育が進まない等の状況であれば正社員の人数を増やすことで、人材の定着を安定させることができます。
また、有休を取得しやすくし、休日数を整えることで、労働環境を改善させることも重要です。労働環境の厳しい環境では事故も起こりやすいために、労働環境を適切に整えることが重要になります。労働環境を整えると、従業員が店舗の働きやすさを評価し、知人を紹介してくれるケースも考えられます。
ITツールの活用
従業員の仕事をITツールを活用することで省略することも可能です。例えば、注文をタッチパネルで行うITツールにするだけでも従業員の仕事は楽になります。できる限りこのようなITツールを導入することで従業員の労働環境を改善していくことが人材の定着につながるでしょう。
外国人雇用
日本に滞在する外国人は年々増えています。日本に滞在する外国人の日本語等のレベルは上がってきており、日本人の雇用に限界を感じているときは、外国人の雇用も検討してみるとよいでしょう。
求人の見直し
従業員の定着が悪い等の事情がある場合は、求人内容についても変えてみる必要があります。例えば、主婦の方でこの曜日の時間なら働くことができ、働きたいという希望はあるために、それに合うようなシフトを組めるようにして、フレキシブルな働き方ができるように求人を見直してみることもよいでしょう。また、労働環境を改善し、スタッフからの人材の紹介が生じる仕組みを作ることもよいでしょう。
アフターコロナの時代、衛生管理に目を向けることも重要
新型コロナウィルスの影響で飲食店の衛生管理に注目が集まりました。この飲食店の衛生管理への関心は、新型コロナウィルスが終息しても、おそらく続いていくでしょう。また、この時期とほぼ重なるように、HACCPに沿った衛生管理の導入も行われています。
HACCPとは
2018年食品衛生法が改正され、HACCPに沿った衛生管理の導入が決まりました。このことにより、飲食店では、運用を重視した小規模事業者向けのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を2021年6月までに始める必要が出てきました。HACCPとは、食品安全の手法であり、製造・調理等の工程で最も食品事故が起こりやすいポイントを管理する手法のことになります。
HACCPでやること
飲食店のHACCPで実施することは、衛生管理計画書を作成し、それを実施・記録することになります。慣れてしまえば、それほど難しいことではなく、衛生管理のマニュアルができるために、従業員教育も容易になります。従業員教育をマニュアルで行うことができるために、新人への衛生教育も楽になります。
HACCPはシステムで管理がラク
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、たくさんの記録が生じます。この記録を紙により管理することは、記録の消失等の事項が考えられます。このような記録の消失等を防ぐためにおすすめなのが、クラウド型のHACCPシステムの導入です。
クラウド型のHACCPシステムで衛生管理計画とその記録を管理できるので、HACCPの考え方を取りいれた衛生管理もとても楽になるでしょう。
ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。
これから導入したい企業に
おすすめHACCPシステムをチェック
おすすめのHACCPシステム3選
Googleで「HACCP システム」「HACCPシステム ツール」と検索してそれぞれ10ページ目までを調査(2023年10月10日時点)。 HACCPシステムの公式サイトが表示された20製品(スマホアプリを除く)の中で、HACCP導入に必須となる「衛生管理計画書作成機能」と、記録の抜け漏れや問題があった時に管理者にお知らせが届く「アラート通知機能」がどちらも搭載されているHACCPシステムを3つご紹介します。
(ライオンハイジーン)
- 衛生管理のプロのノウハウが凝縮
- 約60項目が網羅された衛生管理計画書が標準搭載
- 衛生管理のコンサルも可能
- 衛生管理計画書
- 手順書(マニュアル)
- ダッシュボード
- カスタマイズ
- PDF(帳票)出力
- アラート機能
- ほか
企業におすすめ
(KAMINASHI)
- 点検時の状況を撮影し事故防止
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- 衛生管理計画書
- ダッシュボード
- 条件分岐ルール作成
- 音声メモ
- 多言語化機能
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- ほか
(UPR)
- IoT温度管理で自動的に記録
- 開店前・営業中・閉店後のチェックリスト作成可
- 異常時はアラート機能で通知
- 衛生管理計画書
- カスタマイズ
- 帳票出力
- IoT温度管理
- 健康管理
- アラート機能
- ほか