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HACCPの衛生管理計画書とは?

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HACCPの衛生管理計画書を作成するときどのようなことが必要になるのでしょうか。飲食店を含む小規模食品事業者が行うHACCPの考え方を取り入れた衛生管理で必要になる衛生管理計画書の作成について学んでいきましょう。

衛生管理計画書とは

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理で必要になる文書に、衛生管理計画書があります。この衛生管理計画書では、HACCPで管理する重要管理項目と今までの一般衛生管理で管理する一般衛生管理項目を記載します。HACCPで管理する重要管理項目は、その事業所でこの工程を確実に管理すれば、食品安全上の問題が生じなくなるように決めます

それ以外の項目が一般衛生管理項目ということができます。このようにして、衛生管理計画を定めて各々の事業所で実施し、記録を付けていきます。また、この衛生管理計画は、営業許可更新時に保健所の確認が入ることになります。

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重要管理も作成する必要がある

衛生管理計画とは、HACCP計画のことです。そのために、衛生管理計画にも重要管理の項目も入れる必要があります。重要管理の項目は、とくに厳密に管理する工程のことで、例えば、加熱殺菌工程などが考えられます。

この重要管理の項目は、科学的なデータに基づき決められます。肉団子の中心温度が75℃1分の加熱で確実に殺菌できるというデータなどのことです。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、この重要管理の項目こそが、「HACCPの考え方」に該当するのです。

衛生管理計画作成の流れ

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の導入においては、衛生管理計画を作成すれば良い、というわけではありません。作成した衛生計画にもとづいて、重要管理・一般衛生管理を実行し記録することが大切です。そのため、HACCPシステムの導入や運用を行う際は、①衛生管理計画の作成、②計画の実行、③確認・記録・保管、④振り返り・改善の順番で行う必要があります。

①衛生管理計画の作成

事業所ごとの重要管理点と一般衛生管理を決め、衛生計画書にまとめます。HACCPで管理するのは加熱温度と時間や急速冷却時間などの重要管理点です。今までの一般衛生管理は変わらず行い、原材料の管理、施設の衛生管理、従業員の手洗いなどの仕組みを整えましょう。

②計画の実行

衛生管理計画に基づいて日々の衛生管理を実施します。衛生管理計画の実行には従業員への教育訓練が重要になりますので、衛生管理計画が現場に浸透するように教育訓練を繰り返しましょう。

③確認・記録・保管

衛生管理計画が実行できていることを確認し、記録します。ここでの記録は正確に衛生管理が行われている証拠として保管することが必要です。保健所の営業許可のときに衛生管理の記録を調査されることがあります。

④振り返り・改善

衛生管理に無理がなく、食品事故の予防に役立っているかを定期的に確認します。また、食品事故につながりそうなときに衛生管理計画を見直すことも大切です。チェックした衛生管理計画が食品事故予防に不十分であるならば、衛生管理計画を改善していきます。

この4つのプロセスを繰り返し行うことで、事業所の衛生管理は充実していきます。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の導入は難しいものではありませんが、その衛生管理計画に基づき実行する運用には努力が必要です。適切な運用を習慣化するために、事業所ごとに①から④を継続していきましょう。

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のメリット

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のメリットは、各々の事業所のどの工程を確実に管理すれば、食中毒等の喫食者の健康被害を防ぐことができるのかを誰にでも分かるようにすることになります。これを“見える化”といいます。

食品事故につながりやすい工程を“見える化”することにより、従業員の衛生管理教育が容易になり、食品事故を減らすことが可能になります。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、万が一の食品事故の予防につながるのです。

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HACCP計画書(衛生管理計画書)の作成方法

HACCPの制度化が始まり、そろそろ本格的なHACCP計画書(衛生管理計画書)の作成も進んでいるでしょう。ここでは、HACCP計画書(衛生管理計画書)の作成と運用のポイントについて確認していきます。

作成のポイント

HACCP計画書(衛生管理計画書)を作成するときのポイントは、厚生労働省の手引書を参考に、自社の事業所に合うものに仕上げることです。

厚生労働省の手引書を参考にする

厚生労働省の手引書は、食品事業者の業種別に作成されています。そのため、自社が取り扱う製品が関係する手引書を参考にします。しかし、厚生労働省の手引書通りでは、自社の事業所に最適なHACCP計画書(衛生管理計画書)にはなりません。各々の事業所で、食品安全に関係する危害要因(ハザード)を把握し、それに対応することが必要だからです。

一般衛生管理と重要管理の2種類を作成する

HACCP計画書(衛生管理計画書)は、HACCPと前提条件プログラム(一般衛生管理など)で構成されます。HACCPは、工程管理を通して喫食者の食の安全を守ることが目的で、そこで決定される重要管理点だけでは限界があるのです。そのため、一般衛生管理や適正製造規範などの前提条件プログラムで、重要管理点以外の食の安全に関わる箇所を管理します。

衛生管理計画書、重要管理計画書に盛り込む内容

一般的に、飲食店では「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」という手法を用いて「一般衛生管理計画書」と「重要管理計画書」の2種類を作成します。衛生管理計画書の大まかな記載項目としては以下の4点です。

重要管理では、①非加熱のもの、②加熱するもの、③加熱後冷却、再加熱するものなど、加熱温度で区分けしています。この区分けは、危険温度帯という微生物が繁殖しやすい温度帯をできる限り早く通過させることが目的です。

自治体のテンプレートを活用する

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のために、厚生労働省から手引書が発行されています。また、厚生労働書の手引書のほか、東京都など、各自治体でも手引書を作成。事業所のHACCP計画の作成が難しい場合は、自治体のテンプレートも合わせて検討すると良いでしょう。

HACCP計画は事業所ごとに異なりますが、自社と類似する事例をもとに衛生計画を整えるのも大切です。厚生労働省と自治体の手引書を参考に、適切なHACCPシステムの導入をしていきましょう。

実際の作成事例

衛生管理計画書作成事例1衛生管理計画書作成事例2

実施の際に重要なこと

HACCP計画書(衛生管理計画書)を作成するだけでは、事業所の食品安全を守ることはできません。HACCP計画書(衛生管理計画書)を運用することが大切です。

現場に確認したうえで「重要管理」の記載項目を決める

HACCP計画書(衛生管理計画書)が実際に現場で運用でき、重要管理点の設定とその管理方法を現場でまず確認します。なぜなら、この重要管理点の設定とその管理方法が妥当であれば、重篤な食品安全上の問題が予防できるからです。

定期的に計画書や衛生管理記録を見直す

HACCP計画書(衛生管理計画書)は、定期的に見直すことが必要です。定期的に見直す理由は、HACCP計画書(衛生管理計画書)を適切に運用できていることを確認することとHACCP計画書(衛生管理計画書)を最新のものにするためです。

また、定期的な見直しをするだけでなく、変更による危害要因(ハザード)の再調査も欠かせません。原材料の変更・製造工程の変更・製品仕様の変更があったときは、食品安全に関わる危害要因(ハザード)も変わります。定期的に、従業員が重要管理点や管理方法を理解しているかの確認が必要です。実際に微生物検査をして、食品安全上の問題がないことも検証しておきましょう。

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衛生管理計画書の作成を楽にするには?

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、食品衛生協会や保健所で講習が開かれています。さらには、厚生労働省や農林水産省のホームページにも業界団体が作成したHACCP計画書の作成についての資料が公開されています。まずは厚生労働省や農林水産省のホームページで、自社の業種の手引きを参考にするとよいでしょう。

とはいえ、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書の作成は、事業所の規模や提供する品目の数等の違いでかかる時間も異なります。その点でおすすめなのが、専門のコンサルタントの支援や衛生管理業者が開発したHACCPのクラウドシステムです。衛生管理計画書が標準で搭載されているシステムもあるので、その導入が一番楽かつスピーディーと言えるでしょう。

ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。

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