どこよりもわかりやすい!HACCPシステム虎の巻 » 【業種別】HACCPについて » 冷凍食品メーカーが考えるべきHACCPとは

公開日: |更新日:

冷凍食品メーカーが考えるべきHACCPとは

目次を見る

冷凍食品製造には「冷凍食品製造業」または「複合型冷凍食品製造」の営業許可が必要です。「複合型冷凍食品製造」は、コーデックス規格通りの「HACCPに基づいた衛生管理」を行います。ここでは、冷凍食品製造に必要なHACCPについて解説します。

冷凍食品製造におけるHACCPとは

冷凍食品製造のHACCPの特徴は、加熱工程や急速冷凍工程です。原材料由来、環境由来、作業者由来の危害要因を重要管理点でコントロールするのは、他の食品の種類と変わりません。冷凍食品製造の加熱工程は微生物を殺菌し、急速冷凍工程は微生物の増殖を抑制します。

このとき、冷凍されただけでは微生物は殺菌できず、繁殖を抑制しているだけということに注意が必要です。微生物のほか、アレルゲンや金属片の管理なども重要管理点になる可能性があります。

冷凍食品のHACCP適用範囲は?

冷凍食品製造は営業許可の種類でHACCP適用範囲が異なります。「冷凍食品製造業」の営業許可であれば「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施します。「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は簡略化したHACCPで、重要管理点の設定と管理と一般衛生管理を中心に衛生管理を行います。

「複合型冷凍食品製造」は、7原則12手順通りの「HACCPに基づいた衛生管理」を実施します。「HACCPに基づいた衛生管理」は、重要管理点の設定や管理のほか、製品説明書や製造工程図の作成、重要管理点の検証などまで行います。

冷凍食品の品質管理と規格基準区分による管理上の留意点

冷凍食品は最大氷結晶生成温度帯(-1℃~-5℃)を30分以内に通過する温度で冷却しなければ、品質が劣化します。コーデックス規格では、保管温度は-18℃以下です。

また、規格基準を満たした製品でなければ冷凍食品とは記載できません。冷凍食品の規格基準区分は「無加熱摂取冷凍食品」「加熱後摂取冷凍食品」「生食用冷凍鮮魚介類」の3つに分類されます。

「無加熱摂取冷凍食品」の規格基準は「細菌数 10万/g以下」「大腸菌群陰性」です。「加熱後摂取冷凍食品」の規格基準は「300万/g以下」「E.coli陰性」です。「生食用冷凍鮮魚介類」の規格基準は「無加熱摂取冷凍食品」の規格基準に「腸炎ビブリオ最確数100/g以下」が加わります。

衛生管理計画書が標準搭載の
おすすめHACCPシステムをチェック

一般的衛生管理のポイント

冷凍食品製造のHACCPが機能するには、前提となる一般衛生管理が大切です。冷凍食品製造のHACCPの一般衛生管理のポイントについて確認します。

施設・設備の衛生的な運用

施設・設備の衛生管理は、食品衛生5Sを実施します。整理・整頓を実施し、必要なものが一目で分かるように配置します。清掃や洗浄を定期的に実施し、微生物レベルの清潔を心がけます。

冷凍庫の保管温度は定期的に温度計で測定します。温度計が正確であるかを検証する目的で、1年に1度は校正を実施します。

従業員の衛生管理

食中毒の原因の1つは、人由来の危害要因です。従業員の衛生管理はルールを定めてチェックします。教育訓練を定期的に実施します。

従業員が体調不良のときは食品製造現場に入らないルールを定め、ノロウィルス等の予防に努めます。従業員の手洗いを徹底することも大切です。

原材料・製品の管理

食中毒の大きな要因として挙げられるのが、原材料由来の危害要因です。原材料の受入基準を設け、受入基準をみたさない原材料は受入拒否をすることが必要です。原材料の保管温度を定め、冷蔵庫や冷凍庫の温度管理を決めたうえで、定期的にチェックします。

製品の冷凍保管の温度を定め、定期的にチェックします。製品を出荷するときは、配送業者の温度管理にも注意します。

水・氷・蒸気および使用薬剤の管理

食品製造に関わる水は、食品用の水であることが必要です。井戸水を使用するときは、一定期間で水質調査を行います。また、氷を使用する場合は、冷凍庫の衛生管理に注意が必要です。蒸気が発生する場合は、設備周辺の水滴にも注意します。使用薬剤が製品に混入しないように管理し、使用薬剤の保管庫に鍵をかけます。

廃棄物の衛生管理

廃棄物の種類で分別し、廃棄方法と廃棄場所を定めます。廃棄場所は、昆虫やネズミの発生に注意をします。昆虫やネズミが発生した場合の対策を事前に立て、発生が確認されたら駆除を行い、必要であれば専門業者に助力を得ます。

記録や管理をできるだけ楽にしたいなら

HACCPでは沢山の記録が発生しますが、特に冷凍食品製造のHACCPでは温度管理が特に大切になり、温度の記録だけでも相当数にのぼります。HACCPの記録や管理の手間を省くには「HACCPシステム」の活用が考えられます。「HACCPシステム」を活用すれば、効率的に衛生管理を実施できるため、食品製造の生産性を上げることも可能です。

衛生管理計画書が標準搭載の
おすすめHACCPシステムをチェック

ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。

固定バナーpc
固定バナーsp