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弁当屋で考えるべきHACCPとは

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仕出し屋や弁当屋は、食中毒が発生しやすい分野。食中毒菌が増殖しやすい危険温度帯(10℃~60℃)に調理後も長時間さらされるからです。ここでは、弁当屋のHACCPについて分かりやすく解説しています。

弁当屋におけるHACCPとは

調理後から食べるまでの時間が肝!

弁当屋のHACCPを考えるとき、重要管理点を決める前に大切になるのが食品の調理後から喫食までの時間管理です

仕出し屋や弁当屋の食品衛生の基本は、食品を調理して喫食者にできるだけ早く食べてもらうこと。具体的には、調理後30分以内に提供を心がけ、提供後すぐに喫食するよう注意喚起します。また、高温多湿の時期は、生ものの提供は控えることも大切です。

重要管理点は飲食店と同じ

弁当屋のHACCPの重要管理点の管理は飲食店のHACCPと同様で、危険温度帯を通過する回数によってグループ分けする方法です。「加熱しないグループ」「加熱後提供するグループ」「加熱後冷却するグループ」に大きく分け、管理方法を決めていきます

弁当屋のHACCPは、飲食店のHACCPを基礎に調理後から喫食までの時間に配慮したものです。調理後から喫食までの時間をできるだけ短くし、注文者に喫食までの時間と保管方法を知らせる手段を講じるようにしましょう。

弁当屋での食中毒リスク

弁当屋で食中毒が発生すると、信用を失いお店の倒産にまでつながることがあります。HACCPを取り入れても食中毒を完全に予防することはできませんが、衛生管理の記録は証拠としての意味を持ち、保健所の処分を軽減することにも有用です。(お店の責任か、消費者の購入後の管理によるものかの証拠となり得ます。)

ここでは、実際に起こった弁当屋での食中毒リスクについて確認します。

青森県の駅弁メーカーの食中毒

青森県八戸市の駅弁メーカーの弁当を食べた29都道府県の500人以上が下痢やおう吐などの症状を訴えました。保健所の調査で、駅弁メーカーの弁当から黄色ブドウ球菌とセレウス菌が検出され、駅弁メーカーは営業禁止の処分が下されました

駅弁メーカーは弁当の発注数の増加に生産が追い付かず外部に委託したが、適切な温度管理が出来ず、時間の経過とともに食中毒菌が増殖したことを説明し謝罪するに至りました。

福岡県の大手弁当チェーン店のノロウィルス食中毒

福岡県の福岡市の大手弁当チェーン店の弁当を食べた20・30代の男性6人が下痢やおう吐などの症状を訴えました。保健所の調査で、大手弁当チェーン店の2名の従業員の便からノロウィルスが検出され、ノロウィルスが原因の食中毒と断定されました。

愛知県の弁当店の集団食中毒

愛知県豊橋市の弁当店は、ノロウィルスによる集団食中毒で営業禁止処分になってしまいました。テニスの大会で食べた弁当で82人が下痢や発熱などの症状が発生し、弁当の調理担当者や喫食者からノロウィルスが検出されました。

ノロウィルスは、原材料由来だけでなく人や環境由来でも感染が広がるため、一般衛生管理の徹底が大切です。

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弁当チェーン店が行っている衛生管理

弁当チェーン店の1つが食中毒事故を起こすと、ブランドイメージが崩れ、多店舗へも影響してしまいます。そのリスクを最小限に抑えるため、それぞれの弁当チェーンはマニュアルを作成し、十分な衛生管理をしているので、良い見本になるでしょう。

ここでは、「ほっともっと」「ほっかほっか亭」「オリジン弁当」の衛生管理について紹介します。

ほっともっと

「ほっともっと」では、衛生管理・品質管理のマニュアルを細かく設定し、食中毒や異物混入を防ぐ対策をしています。

例えば、肉、魚、野菜の交差汚染を防ぐために調理器具の色分けを実施し、調理担当者が器具の使い分けをやり易くしています。

HACCPに沿った衛生管理では、重要管理点の食材中心の加熱温度を器具で測定し、基準を順守。また、食材ごとに保管期限のラベルを貼付し、保管期限切れの食材が製品に入らないように配慮しています。

ほっかほっか亭

「ほっかほっか亭」は、店舗設備の衛生管理・環境配慮の取り組みを積極的に取り入れています。美味しい食品の提供のため、食品衛生に対する高い意識は大切です。

食品に防腐剤などの合成保存料の使用を極力控えているため、原材料の衛生管理を充実させています

オリジン弁当

「オリジン弁当」は、食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・清潔・躾)を徹底しするほか、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC認証を取得しています。また、食品安全のために食材の「使用期限」と商品の「販売期限」まで定め、期限切れ商品による食中毒の発生を予防。その他、食材の安全性の確保のために外部の検査機関による微生物検査等も実施しています。

記録や管理をできるだけ楽にしたいなら

弁当屋の食中毒を考えるとき、記録は証拠としての意味を持つため、記録付けと保管は重要です。

しかし、弁当屋のHACCPは衛生管理の項目が多くあるため、記録付けを手作業で行うと手間と時間がかかります。HACCPシステムを導入することで、従業員の手間と時間を省くことが可能です。また、紙による記録の保管の必要がなくなります。

HACCPシステムを取り入れることで、作業効率のアップと証拠の電子保存が可能になるでしょう。

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