どこよりもわかりやすい!HACCPシステム虎の巻 » HACCPの完全義務化で知っておくべき基礎知識 » HACCPシステムにおけるIoT活用

公開日: |更新日:

HACCPシステムにおけるIoT活用

目次を見る

HACCPシステムの運用は、多くの記録が残ります。紙の記録が膨大であれば保管するだけで大変です。しかし、HACCPは科学的な根拠にもとづく衛生管理方法であり、IoTを取り入れることが可能です。ここでは、HACCPシステムのIoT活用について解説しています。

コスト削減に役立つHACCPシステムのIoT活用

HACCPシステムでは、重要管理点のモニタリングと記録が必要です。このモニタリングと記録を人の手で行うと手間と時間がかかります。

モニタリングの温度管理と記録にIoTシステムを取り入れることで人の手間が省け、コスト削減と従業員の安全管理などに役立ちます。よりHACCPシステムを活用し、人の手が必要な個所の対応に集中できるのです。

IoT(Internet of Things)とは

IoTとは物にセンサを設置し、インターネットを経てクラウドに接続してクラウド上で処理する技術です。クラウドサービスの性能が上がり低価格化が進んだことで、企業/個人問わず利用が増えています。

IoT活用によって期待できる効果

HACCPでのIoT活用とは、重要管理点をセンサで測定し無線で本体に送りクラウド上で保管するシステムが基本です。また、HACCPの前提となる一般衛生管理記録も同様にIoTで管理できます。

食品安全の衛生管理のもとになるHACCPは、IoTの活用と相性が良く食品製造・調理施設の工程管理を効率化します。

IoT活用によって重要管理点のモニタリングや記録が自動化されることで、食品製造・調理業務の効率化による生産性の向上が可能です。

IoT活用による食品製造・調理業務の効率化は、食品安全に関わる資材や人件費を省くことができるため、食品製造・調理施設のコスト削減につながります。また、人の手による重要管理点の管理が不要になるので、労働災害防止の効果もあります。

IoTを取り入れる際の注意点

忙しい飲食店や大規模食品製造施設であれば、人の手による食品安全管理は大変なので、IoT活用も進んでいます。しかし、食品安全にIoTを取り入れることで問題が生じることがあります。ここでは、IoTを取り入れる際の注意点について考えてみましょう。

導入費用がかかる

HACCPシステムを取り入れるとき、導入費用がかかります。導入費用がかからない製品・システムも運用費用はかかるため、食品企業は初期投資が必要です。

HACCPシステムにIoTを活用するならば、衛生管理工程のどこをIoT化するか、その費用を把握しておきましょう。そして、IoTシステムの導入・運用にかかる費用と効果を比較し、HACCPシステムの導入を行うことが大切です。

データの取り扱い・管理を怠らない

HACCPシステムを導入すれば、食品安全が完全に自動化できるわけではありません。各記録を管理し必要なときには文書化することが必要です。

HACCPシステムの導入においても、従業員がHACCPの考え方を理解していなくてはいけません。IoT活用による効果と、食品事故につながりかねないケースにおいて迅速な判断ができる担当者の組み合わせを考えましょう。

必ずしもコストメリットが出るわけではない

HACCP導入は食品安全を向上させますが、製造や調理の生産性を上げるものではありません。IoT化にしても、製造や調理工程の業務の効率化を進めるための手助けにはなりますが、費用以上の生産性が得られるとは限りません。

HACCPシステムのIoT化は生産性が向上するようなコストメリットが必ずしも出るわけではなく、従業員の手間の省略や安全性の向上などのメリットだと知ることが大切です。

IoT対応のサービスを探す!
おすすめHACCPシステム一覧

IoT活用事例

HACCPシステムのIoT活用の事例として、冷蔵・冷凍庫の温度管理があります。温度監視センサを庫内に付け、庫内の温度をモニタリング。庫内温度の異常があればアラートで知らせてくれます。

また、食品配送車でも温度管理センサを設置し、配送車の冷蔵・冷凍庫の温度管理・モニタリングが可能。データはクラウド上で管理して、温度管理を一元化することで食品安全を徹底しています。

ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。

IoTにも対応している
おすすめHACCPシステムをチェック

固定バナーpc
固定バナーsp