公開日: |更新日:
HACCPシステムと他システムの連携
HACCPシステムと他システムとの連携に問題があるという悩みの食品製造業の経営者は少なくありません。連携が出来ていないシステムは業務効率に支障をきたします。ここでは、HACCPシステムと他システムの連携について紹介しています。
HACCPシステムは他の機器・システムと連携できる?
HACCPシステムは、他の機器やシステムとIoTの活用で連携できます。例えば、ブルートゥースやクラウドなどを使いHACCPシステムと他システムを一元管理することで、食品製造のプロセスを効率化しています。
HACCPシステム連携できる他機器やシステムとして、物流システム、温湿度管理システム、 5S記録、ATP拭き取り検査記録などの一般衛生記録、トレーサビリティシステムなどがあります。HACCPシステムと他システムの連携は同じメーカーのものでなくても可能であるケースは少なくありません。
連携できる機器・システムの種類
HACCPシステムと連携できる代表的な機器やシステムに「温度センサー」「モニタリング機器」「検査システム」があります。ここでは、この代表的な機器の管理対象データ、接続方式、追加費用などについて考えていきます。
温度センサー
HACCPでは、重要管理点の他に一般衛生管理の温度管理も大切です。一般衛生管理の温度管理は、冷蔵庫、冷凍庫、室温などが対象で、リアルタイムで温度を測定します。また、設定温度を逸脱するとアラートで知らせてくれます。レンタルで導入も可能で、センサーからワイヤレスで設置できます。
モニタリング機器
HACCPでは、モニタリングは必須です。重要管理点を測定するモニタリング機器の記録をクラウドで管理し、モニタリングの手間を省きます。モニタリング設定の逸脱時はアラートで知らせ、迅速な改善が可能です。モニタリング記録もクラウドで管理できます。
検査システム
HACCPでは、検査システムの構築も大切です。食材が直接接触する箇所は、ATP拭き取り検査を行います。この検査システムに記録もHACCPシステムと連携することが可能です。測定検査データをブルートゥースやUSBで接続しクラウドで保管できます。利用料金が無料のシステムも存在しています。
連携によって工程管理の自動化ができる
近年、飲食店や食品製造業の人手不足と賃金の上昇が経営者の悩みになっています。HACCP導入は難しいものではありませんが、忙しさに拍車をかけています。
HACCPシステムの導入と他システムの連携は、製造・調理の工程管理を簡素化することが可能です。初期投資は小さくありませんが、長期的な視点からメリットがあります。
ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。
機能を比較
HACCP導入に避けて通れない「衛生管理計画書」の作成テンプレートが標準搭載のHACCPシステムを比較しています。
▼左右にスクロールできます▼
システム | 管理(本部)向け機能 | 運用(現場)向け機能 |
---|---|---|
はやラクHACCP (ライオンハイジーン) 機能 全11種類
|
|
|
カミナシ (KAMINASHI) 機能 全10種類
|
|
|
UPR HACCP (ユーピーアール株式会社) 機能 全8種類
|
|
|
※HACCP導入に必須の衛生管理計画書のテンプレートが標準装備かつ必要事項を入力するだけで簡単に作れるHACCPシステムで比較
- 衛生管理計画書…HACCP導入で必須の項目。テンプレートが搭載されているので入力が簡単!
- 手順書(マニュアル)…イラスト付きでわかりやすいマニュアル。店舗チェックの際に提出してくださいと言われることも。
- ダッシュボード…どの店舗がどんな状況かを一画面で管理できる機能。素早い状況把握や分析が可能です。
- メニューグループ分け…原材料・仕込み品・料理とグループ分けして記録が可能。アレルギー情報も登録でき、常に最新のメニューを一元管理できます。
- 承認機能…役職の階層別に管理項目を設定するなど細かな承認フローも作成できるので、本部と現場のスムーズなやりとりが可能です。
- カスタマイズ…自社に合った使い方に調整してくれるので、ユーザービリティーの高いシステムになります。
- 条件分岐ルール作成…複雑なルールを特定の条件を満たしたときだけ回答するように設定できるので現場の人も迷いません。
- 手の撮影…作業前に従業員の手を撮影し、傷の有無や爪の伸びを確認できる機能。現場における一番最初の衛生は「手」であるため、衛生意識の向上に役立ちます。
- 健康状態チェック…質問文に沿って「はい」か「いいえ」を入力。内容に問題があればアラートが出るので、リスクを未然に防げます。
- TODOリスト…今日やるべきことが一覧で時間ごとに表示されます。作業忘れの防止になります。
- PDF(帳票)出力…「計画表」や「記録表」などをPDFで出力できます。提出時に重宝します。
- アラート機能…作業の忘れが起きた際に現場はもちろん、本部へもアラートが飛ぶので、ミスを防ぐことができます。
- 写真撮影…点検時の状態をタブレットのカメラを使い、写真で記録が可能。よりリアルな情報を提供できます。
- 音声メモ…話した内容を音声で入力できるだけでなく、署名欄や画像の指摘も手書きメモを残してわかりやすいレポートを作成できます。
- 多言語化機能…チェックリストやマニュアルの日本語をワンタッチで自動翻訳。 日本語が苦手な就労外国人でも理解することが可能です。
- ヒント機能…作業中に判断に迷った際にマニュアルを探す必要なく、ボタンを押して説明を表示させることができます。
- IoT温度管理…IoTを駆使して自動の温度計測が可能です。
とはいえ、機能数が多ければ良いというわけでなく、自社に合ったシステムを見つけることが大事。本当に必要な機能を見極めてチェックすることがおすすめだモン。