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ケータリング業者が考えるべきHACCPとは

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イベント会場で料理を提供するケータリングで食中毒が起こってしまうと、ケータリング業者の責任問題になってしまいます。そのため、ケータリング業者はHACCPに沿った衛生管理を実施することが必要です。ここでは、ケータリング業者が考えるべきHACCPについて解説しています。

ケータリングとは

ケータリングは、会場での配膳から食後の片付けまで含むサービスです。業者が利用するケータリング施設は、調理場で消費のための食品を調理調整し提供する施設を指し、調理調整から喫食まで6時間以内におさめる形で運用されます。

ケータリングと類似するサービスとしてデリバリーがあり、デリバリーは用意された料理を会場に届けるまで、ケータリングは会場に業者が出向き料理を振る舞うなど、提供サービスの範囲に違いがあります。デリバリーは個人~小規模のイベントでも気軽に頼めますが、ケータリングは比較的大きなイベントに利用されるのも特徴です。

一般的衛生管理のポイント

ケータリング施設は簡易化したHACCPを実施する、一般衛生管理の実施が中心です。ここではケータリング施設の一般衛生管理のポイントについて考えていきます。

原材料の受入れ時確認

原材料の鮮度が悪い場合や異物が混入されている場合、HACCPの重要管理点を押さえて管理しても喫食者に食の問題が起こりかねません。ケータリングで提供する食材の鮮度や異物混入の可能性を目視で確認し、受入れ時の原材料の基準に沿うものであるかを評価します。

HACCP計画を作成するときに原材料の受入基準を決めておき、基準をみたす原材料だけを仕入れるなどルールを設定しましょう。

調理時の加熱・冷却・保存の管理

調理時の加熱・冷却・保管についてもHACCP計画作成時に基準を決める必要があります。調理時の加熱や冷却については、菌の繁殖にも関わるため、重要管理点に設定する場合も少なくありません。

調理時の加熱温度・冷却温度、調理時間の基準、作業手順を定めて実施してください。また、保存の温度については基準を決めた上で、温度計による定期的な計測を実施することが大切です。

交差汚染・二次汚染の防止(器具等の洗浄・消毒・殺菌、トイレの洗浄・消毒)

原材料からの交差汚染や二次汚染を防止するため、器具等を洗浄し消毒液で殺菌します。原材料の保管時も交差汚染を避けるため、原材料ごとに分けて保管。また、保管時でもアレルゲンには注意が必要です。加えてトイレの洗浄・殺菌にも注意し、調理場に汚染源を持ち込まないようにしましょう。

従業員の健康管理・衛生的作業着の着用など(手洗いを含む)

汚染源は、原材料、環境だけでなく、従業員由来のものもあります。従業員の健康管理を徹底し、病気の従業員は調理場に入れないなどの規則を定めることが必要です。

また、健康な従業員でも作業着が汚染されていては衛生上問題になります。衛生的な作業着を付け、トイレや外に面した場所など汚染源が付着しやすいエリアには作業着で行かないことを徹底します。HACCPで防げないノロウイルスは、従業員の手洗いを徹底しましょう。

廃棄物及び排水の取扱い

廃棄物や排水の管理を怠ると虫やネズミが発生します。廃棄物を適切な場所に保管・廃棄し、液漏れがないようにすることが大切です。提供時も廃棄物や排水について注意しましょう。

移動時間・提供時間と温度管理

ケータリングで注意が必要なポイントとして、移動時間や提供時間があります。菌の繁殖を防ぐためにも、調理後に常温で料理を保管する時間をできる限り短くすることが重要です。調理調整から喫食までの時間を6時間以内に設定し、適切な温度管理をしましょう。

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重要管理のポイント

簡易化されたHACCPを実施するケータリングについて、重要管理点のポイントを考えていきます。

食材の種類別管理

ケータリングのHACCPでは、食材の種類別管理が必要です。食材の調理時に微生物の増加しやすい危険温度帯を何回通過するかでグループ分け。危険温度帯を通過しないグループ(加熱なし)、危険温度帯を1回通過するグループ(加熱あり)、危険温度帯を2回通過するグループ(加熱後冷却)に大きく分類します。

重要管理ポイントのチェック方法

加熱がないグループは、重要管理点はなく保管時の温度を一般衛生管理で管理し、加熱があるグループは、加熱時の温度と時間を重要管理点で管理します。加熱後冷却するグループは、加熱温度・冷却温度、各工程の時間をチェックしましょう。まずは微生物の増殖を抑えることがケータリングの重要管理点のポイントです。

記録や管理をできるだけ楽にしたいなら

HACCPは一般衛生管理と重要管理点のポイントについて記録を取ることが必要です。紙による記録は従業員の手間を増やすため、アプリで記録ができるHACCPシステムの活用がおすすめです。HACCPシステムはアプリで利用できるため、調理施設と提供場所を移動するケータリングのHACCPにも活用できます。HACCPシステムの活用によって、ケータリングの業務効率を上げ調理に集中できるでしょう。

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ページ監修:力丸修也
行政書士、JHTC認定HACCPリードインストラクターとJFS監査員研修修了。
HACCPコンサルタントとしては、レトルト食品会社、そうざい業、冷凍食品業者等の実績あり。

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